梅雨の終わりとともに迎える6月30日、「夏越の祓(なごしのはらえ)」の日には、全国の神社で半年分の厄を祓う神事が行われます。その行事食として近年注目されているのが「夏越ごはん」です。
雑穀や赤い食材、夏野菜を取り入れた彩り豊かなごはんは、体を整え、無病息災を願う和の知恵が込められています。日本の伝統行事を、家庭の食卓から感じてみませんか?
夏越の祓と「茅の輪くぐり」

「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、日本の神道に古くから伝わる年中行事です。毎年6月30日に行われ、1月から半年分の“穢れ(けがれ)”を祓い、無病息災で残り半年を過ごせるように願います。
神社の境内には「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれる輪が設けられ、人々はこれを八の字を描くようにくぐりながら、心身を清めます。
行事当日は、邪気を払う意味をもつ和菓子「水無月(みなづき)」を食べる風習もありますが、近年では“食で厄払い”をする行事食として「夏越ごはん」も注目されています。
夏越ごはんに込められた和の知恵
「夏越ごはん」は、以下のような食材が使われます。
- 雑穀米:五穀豊穣の願いを込めたごはん。ビタミンやミネラルも豊富で、腸内環境にも◎
- 赤い食材(梅干し、人参、パプリカなど):古くから魔除け・浄化の象徴とされる色
- 夏野菜(きゅうり、なす、しそ、オクラなど):身体の熱を冷まし、夏の暑さに備える作用
これらの食材の組み合わせには、「季節の変わり目に、食を通じて体と心を整える」という、日本の食文化の知恵が詰まっています。
現代に合う“おうち夏越ごはん”のヒント
忙しい毎日でも気軽に取り入れられる、夏越ごはんのアレンジ例を紹介します:
- 🥢 梅干し入りの雑穀おにぎり+冷や汁セットhttps://tabeairu.com/hiyajiru-recipe/
- 🥗 雑穀と夏野菜のちらし寿司風ボウルhttps://tabeairu.com/zakkoku-chirashi-salad/
- 🍚 玄米と夏野菜のビビンバ風ワンプレートhttps://tabeairu.com/genmai-bibimbap/
赤・緑・黄・白・黒の“和の五色”を意識すると、見た目にも華やかで栄養バランスも整います。
年中行事を食卓に。季節の移ろいを感じて
日々の暮らしの中で、年中行事を取り入れることは難しく感じるかもしれません。でも、食卓に少し工夫を加えるだけで、季節や文化をやさしく感じるきっかけになります。
6月30日の夜は、「夏越ごはん」を囲みながら、家族で“後半の半年”に向けた健やかなスタートを迎えてみませんか?
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